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〜Lemon Candy Story〜

第30章 -翻弄-(金田一勇太郎)****


「勇くん‼︎じゃあ、校門のトコでね!」


「お…おう‼︎」


「勇くんが遅かったら、
ぐんぐんヨーグルトね♪」


「え⁈すみれが遅かったら?」


「う〜ん…手繋いで帰ってあげる♪」


「な…っ⁉︎⁈⁈」


「じゃ、わたし着替えてくる♪
あとでね♪勇くん♪」


部活終わり…
オレと…オレの彼女…
オレの彼女の‼︎すみれとの会話…!!



ヤバイ…かわいい…可愛すぎるっ!!



春がきた!!


ついにオレにも春がきた!!!


春じゃないけど…


「春が来たぁぁぁぁ!!」


「金田一…五月蝿い。」


「あ…っ‼︎」


やべぇ…つい、声に出しちまった。


「はぁ…そんなに嬉しいわけ?」


中学の時から変わらない
相変わらずの無気力の国見が、
呆れたように聞いてくる。


「…ったり前だろっ‼︎
すみれがおまえと付き合ってなくて
ほんとよかった…」


オレは本当に心底そう思っていた。
国見は無気力だけど、
見た目は悪くないし、
従姉妹だからか、
すみれとはよく話している。


「ムリ。従姉妹だし。」


「従姉妹だって結婚できるだろ?」


オレは最初、この2人は
付き合ってるんじゃないかと
思っていた。


「それ以前の問題。
すみれは従姉妹で十分。」


が、お互い恋愛感情はないらしく、
どちらかというと
兄妹のような感じらしい。


すみれは国見の従姉妹で、
オレは高校に入ってすみれに出会い…
一目惚れだった。


でも、すみれは人気あるし、
バレー部でも及川さんは
しょっちゅうすみれに絡んでいるし、
花巻さんや矢巾さんも
絶対すみれを気に入っている。



でも‼︎誰がなんと言おうと‼︎
すみれはオレの彼女だ‼︎



そんな人気のあるすみれと、
なんでオレが付き合えたかって、
時は1ヶ月前の部活帰りに遡る。


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