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〜Lemon Candy Story〜

第29章 -自信-(花巻貴大)


「はぁぁ…」


練習試合後、試合には勝ったけど、
わたしはため息しかでなかった。


「すみれ〜!
勝ったのにため息つかないでー!
幸せ逃げちゃうーー!」


「ちえりは幸せすぎるから、
少しくらい逃げても大丈夫ーー。」


同じバレー部のLiで、
同じクラスの親友のちえりに
ドヤされても元気が出ない。


今日の練習試合は、
ウチの学校で行われたので、
相手校が帰ってから、
わたしたちは
体育館の片付けをしてから、
部室に向かっていた。


わたしのため息の理由は単純。


今日の試合、
何度も何度もミスをしていたから。


サイン読み間違えたり、
相手のフェイントに引っかかったり…


単純ミスばっかりで、
ほんとイヤになってくる。


「はぁぁ…」


「あ!すみれ〜!ほら、またー!」


ちえりが背伸びをして、
わたしのおでこに
デコピンをしようとするけど、
小さいちえりは背伸びをしても、
わたしのおでこには手が届かない。


「ごめんてばーー。」


…ピッ


わたしは屈んで、
ちえりのデコピンを受け入れた。


「なんのためにそれ持ってるのよ?」


「ちえり‼︎シーッ‼︎言わないで‼︎」


わたしは慌てて
ちえりの口をおさえながら、
自分のスマホを
お尻のポケットに閉まった。


わたしのスマホには、
透明なよつばのクローバーの
モチーフの上の根付部分に、
エメラルドとヒスイの
淡いグリーンの天然石で、
ガーネットの赤い天然石を挟んだ
ストラップが付いている。


別に普通のストラップなんだけど、
わたしにとっては普通ではない。


とても大事な意味のあるストラップ。


エメラルドは愛の力が強くて、
恋愛成就の力がある。


ヒスイは不安定になりがちな性格を
安定させる魔除けの石。


どちらもわたしの誕生石で、
わたしにとってはお守りのよう。


持っているだけで落ち着くし、
力が湧いてくるように感じる。


それにこの二つは青城カラーだし。


でも、わたしは、この二つとは、
色味のバランスが少し悪い…
赤のガーネットも付けている。


それは…

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