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〜Lemon Candy Story〜

第24章 -身長-(夜久衞輔)


チュンチュンチュン…♪


冬の朝にスズメの鳴き声が響く。


はぁ〜っと息を吐けば白い息。


朝は特に冷えて寒い。


マネージャーだからって、
朝練が免除されるわけでもなく、
早起きして学校に向かう。


でも、わたしは冬が好き。


コートにマフラー、手袋。
ほっかいろだって持っている。
完全防寒防備♪


ナマ脚は寒いけど…寒くない!!


それから忘れちゃいけないのが…


イヤマフ。


もちろん、あったかいから
っていうのもあるけど、
イヤマフを毎日するのには、
理由があった。


「わっ‼︎」


「きゃっ‼︎」


「ははっ♪おはよっ♪
いい加減慣れろよなー♪」


夜久くんが後ろから、
わたしのイヤマフをくいっと持ち上げ、
わたしの耳元で驚かせてから、
朝の挨拶をする。


それが、いつのまにか、1年の頃から、
2人の間の日課のようになっていた。


だから、わたしは毎日イヤマフをしている。


「もう‼︎毎朝毎朝〜っ‼︎」


「ははっ♪目が覚めるだろ?」


「はぁ…おはよう。」


わかっていても、驚くものは驚くし、
わたしはいつもスネたように
挨拶をしてしまう。



ほんとは嬉しいのに…。



口から出るのは、
気持ちとは真逆のことばばかり。



でも…




「そんな毎朝スネるなって!
シケたツラしてると、幸せ逃げるぞ?」


そう言って、
夜久くんはわたしの隣を歩きながら、
いつもわたしの頭を
ポンポンとしてくれる。


「幸せ逃げてないもん。
人を子ども扱いしないでーー!」


ほんとだよ。

”シケた顔してると幸せが逃げる”

夜久くんはそう言うけど、
わたしの場合は例外。


そんな顔してると、
夜久くんが頭をポンポンて
してくれるんだもん。


「すみれ〜!
まぁ、そう言ってやるなって。」


「クロ⁈」


誰かに頭をこずかれて振り返ると、
後ろにクロと研磨くんとリエーフがいた。


「夜久さん!すみれさん!
おはようございますっ!」


「おはよ。」


「はよ。」


「てゆぅか!すみれさん!」


3人それぞれ挨拶してくれたあと、
リエーフがわたしに声を掛けてきた。


「ん?」


「夜久さんが子ども扱いできるの、
身長的にすみれさんだけなんですから〜♪」



あ…。

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