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〜Lemon Candy Story〜

第20章 -名前-(岩泉一)


4月…新しいクラス分けの貼紙を見て、
オレは自分の名前よりも先に
あいつの名前を探してしまう。


檜原すみれ…



あいつは…




「あーー!すみれちゃん、5組ー⁈
なんで及川さんとクラス違うの⁈」


…5組か。


「って、うっせぇ!クソ川‼︎」


「…ほんとだよ。
相変わらず仲良いね。」


「「おわっ⁈」」


突然の声に及川と2人で振り向くと、
そこにはクラス分けの貼紙で
オレが探していた張本人…
檜原すみれが、
クスクス笑いながら立っていた。


「でも、おかげで貼紙見なくても、
自分のクラスわかっちゃったよ。」


「すみれちゃん‼︎」


及川はオレを押し退け、
檜原の元へ駆け寄る。


「今年こそはすみれちゃんと
同じクラスだと思ってたのにー。」


「てことは、
及川くんは5組じゃないんだ?」


「うん。3年間クラス違うなんて、
先生もヒドイよね。
でも、すみれちゃんが淋しかったら、
及川さんはいつでも会いに行くし、
及川さんに会いに来ていいからね!」


そう言って及川は、事もあろうに、
檜原の両手を握って、
ブンブン上下に振っていた。


「あはは…及川くんオーバーだよ。」


「いい加減にしろっ!」


苦笑いしてる檜原を見て、
オレは檜原から及川を引っ剥がす。


「痛い!痛いよ、岩ちゃん!」


及川は無視して、
オレはやっと檜原と話せた。


「悪りぃな。」


「ううん。大丈夫だよ。」


…っ‼︎


檜原にニコッとして言われると、
オレは一瞬何も言えなくなる。


「そういえば、岩泉くんは何組なの?」


そぉいや、
自分のクラス見てなかったな。


オレはもう1度クラス分けの貼紙を見る。


「もぉ。岩ちゃんも5組だよ!
ほんとズルいよね!」


…⁈マジか⁈


「ほんと?すごーい!
岩泉くん、3年間同じクラスだね!」


「…あぁ。」


やべ…めっちゃ嬉しいぞ…。


「あー!岩ちゃん、照れてるー⁈」


「はっ⁈なんで照れるんだよ⁉︎」


本日2回目、とりあえず及川を殴る。


「岩泉くん!今年もよろしくね。」


…っ⁉︎


やっぱりオレは
照れていたのかもしれない。


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