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〜Lemon Candy Story〜

第18章 -夜食-(菅原孝支)


オレはまた豚汁をすする。


「ふぅん…でも、残念でした〜。」


「ん?何がだ?」


オレは箸を置いて、すみれを見る。


「今日の豚汁はわたしが作ったの。」


「マジか⁈」


…っ⁈すみれの手作り⁈


やべ…なんか照れる…。
オレ、褒めまくってた…。


「孝支も舌が鈍ったね。
まだまだだなぁ。」


そう言いながら、すみれは、
オレが床に放置してた
何ヶ月分もの月バリを集め始めた。


「そうか?
でも、これほんとにうまいぞ?」


オレはまた食べながら、すみれに言う。


「そう?なら、よかった。」


すみれは下を向いて、
月バリをトントン…としながら、
こたえた。


相変わらずだなぁ。
すみれは、オレが褒めると、
急にオレの目を見なくなる。


オレは心の中でクスッと笑い、
すみれの作ってくれた
豚汁とおにぎりを食べながら、
月バリを片付けている
すみれの背中を眺める。


1回見たらすぐ戻せばいいのに…と
ブツブツ言いながらも、
すみれは几帳面に月順に並べていく。


オレがその背中を抱き締めたい衝動を
必死で堪えてるのも知らずに…。


「はぁ…うまかった!
ごちそうさまでした!!」


「早っ‼︎足りなかった⁈」


ちょうど月バリを
片付け終えたすみれは、
またオレのほうに向き直った。


「いや。ちょうどいいべ。
すみれはいい奥さんになるな。」


「な…な…何⁈何…急に⁈」


「いや?そう思ったから言っただけ。」


「もう‼︎変なこと言わないでよ‼︎
孝支のバカ〜。
バレーのことばっか考えすぎて、
疲れちゃった?」


すみれは顔を真っ赤にして、
あいた食器を片付け始めた。


「ん?まぁ、疲れてたけど、
すみれの夜食で元気出たかな。」


…ギュ。


オレは片付けをしてる
すみれの手を握った。


「こう……し⁇」


すみれのその可愛い顔は、
オレの我慢のハードルを
どんどん下げてしまう。


「オレの奥さんだったらいいのにな。」


…チュ。


「好きだよ。」


「…っ⁈⁈⁈わ…わたし…も。」


すみれは可愛い真っ赤な表情のまま、
小さく頷いてくれた。


---End---

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