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〜Lemon Candy Story〜

第18章 -夜食-(菅原孝支)


ガチャ…‼︎


「孝支っ‼︎」


「…っ⁈おわっ⁈すみれ⁈
どうしたんだよ⁈」


突然すみれが部屋に入ってきた。


「”どうしたんだよ⁈”じゃないでしょう?
家に帰ってから、
何時間たってると思ってるの?」


呆れてため息をつくすみれ…。


「へ…?あ…もう11時か。」


時計を見てやっと気付く。


「も〜。着替えてすらいないし、
カバンもそのまんまだし…。
ご飯食べに来てって言ったでしょ?」


「あはは…悪い悪い…
そんな怒るなって。」


隣に住む檜原家とは
家族同然の付き合いをしていて、
お互いの家の合鍵をそれぞれ持っている。


だから、家にオレしかいないのに、
インターフォンも鳴らさずに、
すみれはオレの部屋まで
来ることができるのだ。


そして、なんですみれが
怒っているのかというと、
今日はウチの親がいないので、
すみれの家で夜ご飯を
食べることになっていたのだが、
オレがこの時間まで連絡も入れず、
すみれの家に行かなかったからだ。


「やっぱり…
バレーのことやってたんだね。」


オレはローテーブルに
フォーメーションやサインを
まとめたノート、
それに今までの試合のDVDも付け、
メンバーの癖をまとめたり…
とにかくいろんなものを広げていた。


「あぁ。もうすぐ試合だからな。」


「はぁ…そんなことだろうと思ったよ。」


…?


すみれは呆れてはいるが、
どこかサッパリしたように言って
立ち上がり、いったん部屋を出てしまった。


「お待たせ〜。」


…‼︎


5分程して戻ってきたすみれは、
あったかそうな湯気の出た豚汁と
おにぎりを持っていた。


「おなかすいてるでしょ?」


「おぉ‼︎うまそう‼︎」


ローテーブルの上のものを
バサッと片付けると、
すみれがオレの前に
飯を置いてくれた。


「いただきまっす!
あぁ…めっちゃうまいなぁ!」


空腹の腹にあったかい豚汁が
染み渡り、さらに箸が進む。


「ん?どうした?」

すみれはオレの向かいで、
ローテーブルに肘を付き、
ジッとオレを見ていた。


「その豚汁、そんなに美味しい?」


「おぉ。すげぇうまい!
おばさんの豚汁、最高だよなぁ。」

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