第17章 -間接-(灰羽リエーフ)
「やだってばーー。貸しません!」
リップクリーム貸すとかありえないし、
か…間接キスになっちゃうじゃんっ‼︎
「むぅぅぅ…」
拗ねてるリエーフを無視して、
わたしはリップクリームを
バッグにしまった。
「そういえば、今日の数学の宿題は
ちゃんとやらないと、また…
…どしたの?」
暗がりの中、リエーフが
上からジッとわたしを見ていた。
「リエーフ??
そんな見たって、宿題教えな…」
……チュ。
…………………………⁈⁈
「えっ?あ…っ…リエ…リエーフ…
なに…して…⁈」
「だってー…リップクリーム、
貸してくれないしー。
でも、すみれの唇についてたしー?」
えっ…?いや…そ…それだけ…⁈
「リ…リ…リエーフっ‼︎‼︎‼︎」
「でも、リップクリーム貸してもらうより、オレはこっちのがよかった♪」
「な…っ⁈⁈」
「すみれー?どうしたのー?」
「し…知らないっ‼︎」
さっきまでは、
犬だか獅子にしか見えなかったのに、
わたしはドキドキが止まらなかった。
何もなかったかのように
わたしの顔を覗き込んでくる
リエーフが…
なんだか男のコに見えてきた。
---End---