第15章 -味見-(花巻貴大)
「マッキーたち、何食べてるのー?」
すみれとシュークリームを分けていると、
及川たちもこっちに来た。
「煎茶のシュークリームなのー。
花巻とはんぶんこするんだ♪」
シュークリームを及川に見せながら、
ニコッとするすみれの
”花巻とはんぶんこする”ということばに
つい顔がほころぶ自分がいた。
「煎茶ー?それって美味しいの?」
「わかんないから、お味見するんだよ。
ね、花巻♪?」
「なー♪」
「おまえら、今から甘いもん食うの?」
「花もすみれも甘党だよなぁ。」
「じゃ、花巻、いっせーのーせ!で、
一緒に食べよ?いくよー?
いっせーのーせっ!」
パクッ…。
2人で同時に口に入れた。
「「おいしー!」」
思いのほかうまかった。
「ほんとー?オレも食べたーい!
すみれ、一口ちょーだい!」
オレたちの反応に、
及川が食べたいとすみれにねだった。
「あ…じゃ、口付けてないほうから…」
…⁈
すみれがシュークリームを一口分ちぎり、
及川に渡そうとする…
「すみれ、ダーメ!」
オレは思わず、及川に
差し出そうとしたほうの手を押さえた。
「…花巻?」
キョトンとしてオレを見上げるすみれ…
…パクン!
「ちょっ…花巻⁈」
オレは返事をせずに、
すみれの手から、
及川にあげようとしていた
シュークリームを食べた。
「花巻…っ⁈」
「あーー‼︎もう‼︎マッキー⁈」
すみれと及川のことばも無視…
……チュ。
「「「「……っ⁈」」」」
オレはそのまますみれにキスをした。
すみれの顔をのぞきこむと、
すみれは真っ赤になっていた。
「は…花巻…⁈今…⁈⁈」
「味見…♪
シュークリームもすみれも食べてみなきゃ
美味しいかわかんねーよな♪」
「マッキー⁈なにやってんの⁈」
「おまえなぁ…」
「クソ川に挑発されすぎだろ…」
「え…⁈挑発…⁇あの…」
「ん?すみれの唇はうまかったってこと♪」
「な…⁈」
「あ!オレ、もちろん好きなコの唇しか
味見しねーかんな♪」
---End---