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姫と紫煙の蝶

第6章 幼馴染みと思い〔後編〕



「別に。外が五月蝿いから、片付けに行くだけよ」

彩菜は、声の主――晋助にそう言った

「クククッ、そうかい。そう言えば、さっき、死人に会った」

そう言う晋助は、楽しそうに笑っていた


「ああ、小太郎か。逃げの小太郎が、死んだフリまで……。多種多様な異名がつきそうね」

桂は、死んではいなかった

どうやら、興奮した岡田似蔵が生死を確認せず、髪だけを切ったのだった

「違いね。それと、もう一つ。来るかも知れねーぞ」

「?」


「白夜叉、坂田銀時がな」

「!!」

ドクンッ―――……

【白夜叉を、坂田銀時を、お前の手で染めるんだ。お前のその"汚れた手"で、白夜叉を】

ドクンッドクンッ―――……


再び聞こえる灰龍の声、

その声を聞いた彩菜は、もう

「………銀時をこの手で」

操り人形のように、自分の意志を捕らわれた哀れな姫でしかなかった


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