第4章 桜刀と盲目侍
「用がないなら、私は行くが」
彩菜は、一刻も早くこの男から離れたかった
「おっと失礼。しかし、あの人と似ているね。流石、双子の兄妹」
「はあ……。それ、褒め言葉なの?」
彩菜には、当たり前すぎた
容姿も、ほとんど瓜二つ
違うと言えば、性別や双方の感情ぐらいだろう
幼い頃から、双子双子と言われ続けた彩菜にとっては、何を今さらと飽き飽きしていた
「褒め言葉かどうかは、あんた次第さ。けど、あんたとあの人、同一人物に特別な感情があるねぇ」
「同一人物?」
似蔵は、クククッと笑った
「ああ、ソイツは俺も一手手合わせして貰ったヤツなんだ。なかなかやるねぇ―――」