第1章 高杉の姫様
「ちょっと待ってよ」
そう言って、彩菜は“持っていた刀”を鞘にしまった
「どうだった?“コレら”は」
晋助は、目線を下に向けた
そこのには、数分前まで“温かみのあったモノ”が、寝転がっていた
「コレぐらい、本気を出さなくても済むわよ。しばらく本気出してなくて、なまりそう」
「“癒桜姫”として、役不足な相手ばっかり相手で、退屈だろう」
“癒桜姫”
その言葉を聴いた彩菜は、ムッとした表情を向けた
「その“姫”っての止めてくんない?」
「ククッ、気が向いたらな」
晋助は、そう言うと料亭を後にした
「あ、ちょっと!」
彩菜もまた、晋助の後を追った