第3章 光鬼と闇姫
「それでは、私もこれで失礼します」
彩菜は、想い人――銀時の様子を見に行くと言う、本来の目的を果たした為、帰ろうとした
「まあ、待てよ。あんた、名前は?」
不意に、銀時に呼び止められた
「……桜。高須桜です」
彩菜は、嘘をついた
本当は、自身の名前を教えたかった
しかし、今の自分が会う事は、許されないと言う気持ちが強かった為、とっさに自分の思い出がある『桜』を名前にした
「んじゃあ、桜。あんた、よくああ言うのに、立ち向かったな」
「別に。私、ああ言う意図が見え見えのくせに、暴力でおさえつけるのが、大ッ嫌いなだけですよ」
そう言い、苦笑いをする彩菜