第8章 聞かれたくない話は、人に言わない
最初は言っている意味が分からなかった。
だって、銀時は昔のことを打ち明けていた。
そして、この二人は、それを受け入れたうえで銀時の傍にいるということになる。
・・・なるほどね。
この二人、ううん。この歌舞伎町の人たちを銀時は護ろうとしているもの。
『これが、銀時の護りたいものなんだね?』
銀「ああ。そうだ」
『うん。そっか、わかったよ。何で銀時が晋助のようにならなかったのか・・・』
『私ね、ずっと不思議だった・・・
松陽先生を奪った世界をどうして、許すことができたんだろう?って、』
『銀時は、大切なものを護りたいんだね。今も・・・昔も』
そして、私はうつむいてしまった。
どうしてかはわからない。けど、どうしても言葉が出てこないんだ。
ううん、本当はわかってる。どうして、言葉が出てこないかなんて・・・
きっと、私は恥ずかしいんだ。
昔の私が・・・
殺すことしか、仇をとることしか考えていなかった。
でも、銀時は昔から、護るために闘っていた。
そして、今も変わらない。
やっぱり何も変わっていないんだな