第26章 友達って、何人かでいいんだよ? (ミツバ編)
沖「瑠維、ちょっといいですかィ?」
屯所に帰るなり、私は総悟に引っ張られた。
そのままついて行くと、そこは総悟の部屋。
沖「入ってくだせェ・・・」
言われるがままに入り、座布団に腰掛けると、総悟も私の前に胡坐をかいた。
『どうしたの?』
沖「瑠維は俺が子供だって言いましたよねィ?」
・・・ああ、あの夢を見た日ね。言った言った。
『うん、言ったけど・・・』
沖「俺ァ・・・まだ意味がわからねえんですがねェ・・・」
『・・・う~ん・・・総悟はさ、あのとき全部取られるって言ったよね?で、奪い返せないって』
沖「はい、言いましたねィ・・・」
『それがおかしいの。ミツバさんも近藤さんも、物じゃないんだからさ、取られるって変じゃない?』
沖「・・・」
『人は、誰のものにもなれないし、誰かに取られるようなものじゃない。その人は、その人だからさ・・・』
沖「・・・だからって・・・実際・・・」
何でこんなに暗いのォ!?イライラする!!
『だから!!総悟はみんなから愛されてたし、今でも愛されてるの!!余計な心配はしなくてもいい!!いちいち、そんな小さいことで振り回されてるから、子供だって言ったわけ!!意味わかる!?』
沖「・・・は、はい・・・」
怒ってしまった・・・まあ、仕方無いよね?大丈夫だよね?
『ついでに言っとくけど、私はちゃんと総悟の事見といてあげるから』
沖「はい?」
『総悟の傍にいて、総悟の事見とくから、心配しなくていいから』
沖「・・・それ、告ってんですかィ?」
『いや、違うから・・・だから、自分で自分のこと傷つけなくていいし、無理に自然と振舞わなくていいから。見てるこっちが辛い』
沖「・・・ばれてやした?」
『バレバレ。だから、無理に笑わなくいいから。もっと、周りに頼りなよ』