第26章 友達って、何人かでいいんだよ? (ミツバ編)
それだけ言うと、私は総悟の部屋から出て行こうとしたが、後ろから、総悟に抱きつかれた。
『なっ////総悟!?』
沖「瑠維はやっぱり似てるんでさァ・・・」
総悟の声が震えていた。
沖「姉上に、そっくりなんでィ・・・」
『・・・私、あんなに美人じゃないし、おしとやかでもないけど・・・』
沖「そうじゃありやせん。瑠維は姉上と同じように・・・自分のことより人のことを優先させるんでさァ・・・」
『!?』
私、結構身勝手だし、わがままだと思うんだけど・・・
沖「旦那から聞きやした。瑠維の家族ももう居ない事も、どうして亡くなったのかも」
『・・・幕府の人間に殺されたってことも?』
沖「本当は真選組になんて入りたくなかったのに、無理に入ってることも、護りたくもない幕府を護ってることも」
『まあねぇ・・・入りたくなかったし、護りたいわけじゃないけどさぁ・・・』
沖「瑠維が一番辛いはずなのに、いつも我慢して笑って・・・」
『それは違う!!』
私は総悟の言葉を遮った。
『私は、幕府なんて護りたくない。だから、私が今護ってるのは、私の大切な人たち。銀時や神楽ちゃん、新八君・・・私は、好きでみんなを護って、好きだから、この真選組に居るの!!だから、無理して笑ってない!』
沖「・・・俺もこの真選組、好きですぜィ。いつもみたいにバカやって笑ってるここが好きです。なのに・・・」
『いつもみたいに笑ってほしいなら、総悟がバカなことすればいいでしょ。私も手伝うし』
そう言って、後ろを振り返って笑うと、そこには総悟が涙を我慢してる姿があった。
沖「ほんと・・・似てますねィ・・・」
『総悟、大丈夫だから。』
私は前を向いた。背中には総悟のぬくもりがある。
もう一度「大丈夫」と呟くと、小さな嗚咽が聞こえてきた。
我慢するのは辛いこと。でも、我慢しなければならない時もある。その反動は後々帰ってくることになる。
人間にとって一番難しいことは、過去を思い出に変え、受け止めること。総悟はその途中に居るのだ。
そして、私たちも未だに思い出に変えられていないのだ。