第26章 友達って、何人かでいいんだよ? (ミツバ編)
ほどなくして、ミツバさんは眠りについた。
最後の最期まで、その手を握っていたのは弟の総悟。
美しい、と表現されるのが相応しい
安らかな表情をしていた。
それからは、すべてが駆け足で進んでいく。
葬儀の手続き、死亡診断書について…
未成年である総悟の代わりをしたのは、近藤さん。
目まぐるしい忙しさが空けたのは、葬儀終了から3日ほど経った晴天の日だった。
嫌な静けさと、重苦しさの立ち込める真選組屯所。
男所帯だから、ということではない。
一番隊隊長の姉が亡くなり、たった3日しか経っていないのだ。
誰しもが、私語を慎み、なるだけ外出を自粛していた。
私も、一番隊の、隊士なわけでそれなりの気遣いはしている。
とくに、総悟は気丈に振る舞っていたとしても、こちらからしてみれば、空元気にしか見えないのだ。
『ふぅ…』
総悟も総悟で、もちろん心配だ。
それと同時に、土方十四郎も私としては気がかりだ。
相手のためを想い、身を引いた。
そんな優しい彼が、悲しみに押し潰されそうになっていないはずはない。
しかし、そんな素振りを微塵もみせない。
だからこそ、心配なのだ。
『溜め込みそうなタイプだから、余計に…』
土「そうだな、その溜め込んでるもん、さっさと消化しろよ」
『え!?副長!?』