第26章 友達って、何人かでいいんだよ? (ミツバ編)
どれくらい経っただろう・・・
気がつけば、みんなが帰ってきていた。
言われなくても、雰囲気でわかる。
一人の命の灯火が、消えかかっているのだ。
私は、そっとその場を離れた。
病院から出て、空を見上げる。
漆黒の空に浮かんでいる、光輝く小さな島たち。
目を細めたくなるほど、瞬いていた。
その光は、ミツバさんの命とは真逆で…
連想させられたのは、その最期。
ゆっくりと、人一人の体温を奪い、
大勢の人間を悲しみの縁に追いやる。
残酷な運命。
美しく、儚い女性が
今から天へと帰ってゆく。
運命は、偶然ではない。
すべて起こりうること。
すべて初めから定められていたこと。
運命は、必然で、神は私たちに自由を与えることは
決してしない。
ならば、これもすべて
神が定めていたもので、
ミツバさんは初めから、死んでしまうように決められていたのだろうか。
それならば、なんて非道な心の持ち主なのだろう。
その、人々が崇拝する神とやらは。