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君のためなら。

第4章   監禁




「――――ッ、ぁ……」

真っ暗。何も見えない、簡単に言えば、闇。

「ィッ……つー……」

激しい頭痛が南雲にまだ取り付いていたが、兎に角この場所がどこかを確認しようと立ち上がろうとした、その時だった。

ジャラ

何の音だろうと思ったのも束の間、南雲は前のめりに転んだ。

「え……?な、に……」

気づけば首元が苦しい、恐る恐る触れてみると、首輪がついていた。犬や猫に付けるような、あんな優しいものではなく、息がギリギリ吸える程度に締め付けられたまま錠をして取れないようにしてあるのだ。

「……ッ!!!」

南雲は手足をすぐ確認した、嫌な予想は的中して、手足にも同様の枷が付いていた。

「お、おいおい……これ……シャレにならねぇって……」

脂汗がどっと溢れ出し、体が震えだした。すぐ、理解できた。

「監……禁……」

そんな単語、漫画や小説でしか見たことも聞いたこともない。信じられないが、実際今その状況にある。

「……まさか、黒子……君……?」

中学生に、そんな事が出来るはずがない、でもそれ以外の選択肢が無い。彼しかいない、彼しかできない。

「おや、目が覚めましたか」

どこにあるかはわからないが、部屋の何処かにあるであろうスピーカーから聞き覚えのない声が聞こえてきた。

「!!!だ、誰ですか!!いや、誰でもいい、ここから!!出してください!!!」

「おやおや、元気がいいですねぇ。」

必死に叫ぶ南雲を、子供を相手にする大人のような声色でクスクスと笑うその声の主に腹を立て、南雲はもう一度叫ぶ。

「出せって!!!誰なんだよおま……ッんぐ!?」

突然、急速に、気管が締まる。いや、締められている、首枷が締め付けてきていたのだ。

「ぁ、うが……ッヒュ……」

口の端から唾液が垂れる、意識が途切れるスレスレの状態で放置され、南雲はその場に倒れこむ。

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