第7章 【SO】黒尾鉄朗 ~君ノ熱ヲクダサイ~
2人で布団を被って、舌を絡め合った。
俺の風邪のウイルスが、2人の唾液に混ざって彼女にうつるなんて、こんな感覚おかしいかもしれないけど、なんかロマンチックじゃね?
それにしても身体が熱い。
頭はぼーっとするし、瞼が重い。
本当はこの可愛い彼女を今すぐに組み敷いてしまいたいのに動かない身体がもどかしい。
唇をはなすと、は蕩けた眼をしてこちらを見ている。
『クロ、、、なんか、辛そうだね。』
「にうつしたから、直ぐに治るって。」
『、、、ばか。』
「な、手貸して?」
『ん?うん。』
俺は知っている。
はいつも手が凄く冷たいってことを。
彼女の冷たくて平たい掌を俺の額に当てると、じわじわと自分の熱で彼女の冷たい手の温度が上がっていくのがわかった。
「つめてー、、、。」
『すごい熱だよ、、、おとなしくしてなきゃダメ。』
「んー、、、」
彼女の胸に顔をうずめて、抱き枕みたいに足で挟んで抱きしめる。
「なんか、もったえねぇな。」
『何が?』
「セックスしてぇのに、身体が無理なの。」
『っ、、、バカじゃないの!』
「だって、こんなに近くにいんのに、、、」
彼女の香りをすぅーーーっと吸い込いこむと、妙に落ち着いて眠気に襲われる。
『クロ、、、?眠いの、、、?』
えいっ!
『ちょっと!!!』
彼女の柔らかい胸を突っつくと、俺の指はその柔らかい所にむにゅりと埋まって、彼女に頭を叩かれる。
「ってぇ、、、頭ガンガンすんだけど。」
『あっ、、ゴメン。』
「うっそー。」
『あのねぇっ!』
くっくっくっ!
「な、このまま寝ていい、、、?」
『え、、、うん。』
彼女が俺の髪を撫でる。
ゆっくり目を閉じると、少しずつ意識が遠のいて、俺は眠りについた。
end.