第3章 山口忠 〜呼吸を止めて。〜
私の心臓の音、山口くんにも聞こえてるんじゃないかなってくらい、凄く早くて大きな音をしてる気がする。
怖くてきゅっと目を瞑ると、山口くんにギュッと両肩を掴まれた。
ちょっと震えてる?
それとも私が震えてるのかな。
「、、、好きだよ。、、さん。」
ゆっくり目を開いて彼の顔を見上げると真っ直ぐな視線がこちらを向いていた。
彼のシャツを掴んでる力が抜けて、胸板に顔を埋める。
嬉しくて、恥ずかしくて、身体が一気に暑くなるのが分かる。山口くんの心臓の音もすごくドキドキしていた。
『、、、わたし、死ぬかも、、、』
「ええー!!?わ、ご、ごめん!俺が変な事、言ったから!?」
『死ぬほど幸せすぎて、、、私も、好き。山口くん。』
見つめ合うと、熱い視線が絡み合う。
あ、、、
キス、するのかな、、、、。
私、唇カサカサしてるかな!?
山口くんの顔が近づいて、息がアツくて、
そしてゆっくり、唇が重なる。
初めてのキス。
『、、、、ふぁっ!』
「えぇ!?さん?」
『緊張して!息止めてたぁー!!』
顔を見合わせて二人で笑う。
ねぇ、山口くん。
私達、これからも二人でこんな風に隣で笑ってたいね。
『、、、、わ、私、、ファーストキスだよ、忠くん。』
「え!あ、名前、、、!、、あの、俺も初めてだよ。」
「、、、、さん。」
end.