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ONE PIECE短編(仮)

第8章 (サンジ、ロー、ゾロ、バー、分岐)


夕方、店の裏口から入り灯りをつける。
カウンターとテーブル席が数席あるだけの小さなバーだが、それなりに繁盛している。

テーブルを拭き、椅子を綺麗にして床を掃く。
軽食を作ってからのりをきかせたバーテンダーの服に着替えて、長く伸ばしたままの髪をシンプルに結い上げた。

店内の準備がおえたので看板の札を返して『open』にする。

「…よし」

りんは店内にもどり、グラスを拭きながら客を待つことにした。


拭きながら、料理の仕入れでいつも使っている八百屋や魚屋から聞いたウワサを思い出した。

『…え?港に海賊船が2隻も?』
『そーなんだよ!りんちゃんは美人さんだから拐われないようにな!』
『えー、そんな事ありませんって!』
『いやいや!普段のりんちゃんも綺麗だが、店に立ってる時のりんちゃんはそりゃー色気があるからな!』

本当に、気を付けるんだよ!と念を押されて今日は店に来たのだ。
しかし、海賊と言えばこの島にきても大衆酒場でドンチャン騒ぎをしているだけで、りんがいる店まで来たことはない。

カランとドアのベルがなり客がきたことを知らせた。

「いらっしゃいませ」

元気に迎えたりしない。静かに笑みを作る。
入って来たのは黒いロングコートを来て帽子を被った長身の男と、髪で片方の目を隠したスーツの青年、そして腰に3本も剣を携えた緑色の髪をした青年だった。

「わぁお!すごい美人さん!お目にかかれて光栄だなー!」

(…?!本当に目がハートになった)

金髪の青年が素早くカウンター…しかもりんの目の前の席に座った。驚愕はしたが顔には出さないように努力する。

「そんな…」
「ねぇ、名前は?あ、おれはサンジ。よろしくね」

サンジと名乗った青年の横にロングコートの男と緑色の髪をした青年が並んで座った。

「黒足屋、お前なんで来たんだ」
「あぁん?ソコのバカマリモが迷子にならねーようにだよ。おれとレディの間に入ってくんなトラ男のくせに!」
「おいクソ眉毛、誰がバカだ?」
「わかってんじゃねーか。テメーだよ」
「あんだと?!」
「やるかぁ?!」
「おれを挟んでケンカするな。外でやれ」

(…あぁ、例の海賊さんたちかしら)

仲が良いのか悪いのか…一気に賑やかになった店内。
りんは注文をきくことにした。
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