第6章 (アイスバーグ、パウリー、告白)
「いつも、パンをありがとう」
「いえ、そんな…」
アイスバーグは深呼吸をする。
「できたら、パン以外の手料理も食べてみたいと思ってる。…毎朝、毎夜だ」
「…えっ?」
「ンマー、なんだ。だから、考えてくれないか?…その、結婚を、視野にいれての付き合いを……」
りんが答えられないでいると、アイスバーグは少し慌てたように付け加えた。
「返事は急いでいない。…良い方向に考えてくれると有難い…」
「…は、はい」
店内に沈黙がおりる。
「じ、じゃあまたくる」
「あ、お待ちしてます!」
きびすを返したアイスバーグの背中にいつもの声をかけて、
店内はりんだけになった。
店での作業を終え、明日の仕込みも終わらせてから二階の居住スペースに上がる。
隣の屋上の水路に流れる水の音を聞きながらベランダで今日の出来事を思い出す。
(…二人から告白?されてしまった)
ベランダの手すりに軽く腰かけ、空を見上げる。
星がいくつも輝き、いつかの海賊たちは元気にやっているだろうかと思い出す。
(…こういうときは!)
りんは仕度をし、とある酒場へ向かった。
「りん!久しぶりだわいな!」
「こっち座るんだわいな!」
「モズ!キウイ!久しぶりー」
行きつけの酒場。カウンターに誘われ店主たちと話をする。
「ニューアニキとパウリーに?だわいな」
「りんモテモテだわいな」
「その前にパウリーにそんな度胸あるのが驚きだわいな」
「そうだわいな」
一通り話終わると口々に感想を言われる。
「どしたらいいと思う?」
大好きな酒を飲みながら聞くと、モズが聞き返す。
「りんはどうしたいんだわいな?」
「…私は…」
「ま、ちゃんと話し合うんだわいな」
キウイが店出入口に目をやる様に合図され振り向くと、アイスバーグとパウリーが揃って入ってきたところだった。
二人がりんに気づくとアイスバーグは軽く微笑み、パウリーは顔をやや赤くし反らす。
二人それぞれの反応にりんはかけていたスツールからおりて深々とお辞儀をした。
*******************
ザ、中途半端☆
ふたりから想いを寄せられる感じを書きたかったんです。