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ONE PIECE短編(仮)

第6章 (アイスバーグ、パウリー、告白)


「りんさん、おはようございます!今日のランチください!」
「おはよう小さな秘書さん。今日も元気ね」

ガレーラカンパニーの1番ドックから程近い、小さなパン屋。
りんは一人でその店を切り盛りしていた。

朝早くからパンを焼き、新しく秘書になった少女に毎日ランチ用のサンドイッチを用意する。

以前まではカリファに用意していたのだが、近年稀にみる大アクア・ナグラの際に里帰りしたと噂にきいた。

「はい、今日の分。こっちはアイスバーグさんの分ね。いってらっしゃい」
「わざわざいつもありがとうございます。いってきます!」

小さな体には不釣り合いなブラックスーツに入学式感が拭えないのだが、あれでなかなか敏腕らしい。
りんは店の外にでて小さな秘書を見送ると、店の外の掃除を始めた。


外掃除を軽く済ませ、店の中に入ろうとすると
遠くから怒声と歓声が聞こえる。

大方、パウリーが取り巻きと借金取りに追われながら出勤中なのだろう。
くわえ葉巻に紐を操りながら逃走を続ける彼の姿は日常茶飯事だ。

(…やめればいいのに。賭けレース)

足音が大きくなり始めたので店の扉に半身を隠す。
半身を出しておく理由はと言うと…

「……ぉーい!おーい!りん!今日のオススメといつもの一個ずつ取り置きなぁぁぁ……」
「はい。まいどー」

パウリーが逃げながら注文するからだ。
逃げ行く背中と後から続く大勢の女性たちで聞こえるとは思えないが返事をしておく。

「…さて。お昼用のパン焼きをはじめますか!」

太陽に向かって大きくのびをして、
忙しくなる昼間に向けて気合いを入れた。


昼。1番ドックの職人達が次々とパンを買っていく。
とくにこってりした味のものや、水水肉をサンドしたものが好まれ、あっという間になくなる。

「はい、合わせて530ベリーね。ありがとうございまーす」
「おーいりんさん、水水肉のサンドはー?」
「すみません、さっき売り切れちゃって…エレファントマグロのツナサラダサンドはまだありますよー」
「じゃあソレひとつ!」

最後の職人が出ていきやっと一息つける頃に一般客がやってくる。

「こんにちはーりんちゃん。まだあるかしら?」
「えぇ、菓子パンがありますよ。まだウラにあるから持ってきますね」
「悪いわね。子供たちにほしくって…」
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