第5章 (ロー、激?、18禁)
部屋で寝る仕度をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
「おれだ。」
ドアの向こう側からローの声がした。
開けるとするりと入ってくる。
「船長、どうかしましたか?」
「二人きりの時は?」
「……ロー、どうかした?」
言い直すとそれでいいとローが頷き、ベッドのフチにすわった。
「お前が全く部屋にこねぇからおれが来てやったんだ。喜べ」
「んっ?うーん…」
「あ゛?何が不満だ?」
ギロっと睨まれた。
そっちの部屋いくと大変なことになるんだよ!という言葉は飲み込んでおく。
求められるのは嬉しいし、正直したい気持ちはある。
だがローの能力を最大に使用して限界までいじめられ、快感を与えられて最後は気を失うように眠ってしまうので、起きても体のあちこちが痛むしダルいし。
しかし、いじめている時のローの表情が恍惚としていて…止められないのだ。それは決して自分がMだからではない。絶対に。
なんと言うべきか考えあぐねていると、ぱっと突然ローの顔が自分の前に現れた。
先程まで立っていたところをみると枕が落ちている。
ローは立っているこちらの腰の辺りを抱き寄せ、おなかに顔を埋めてくる。
そうして、大きく深呼吸をした。
「…ふふっくすぐったい」
「……」
ローと目が合う。そのまま体を引っ張られてベッドの上に二人して倒れこんだ。
「なぁ、りん。お前はそんなに嫌か?」
「え?」
「おれとするのが」
先程の続きか。
「嫌なわけない。ただ……その、ぇっと」
恥ずかしくなってローから目線を外す。ローがにやにやしているのが気配でわかる。
絶対あの妖しい、目があったらもう囚われてしまう様な笑みを浮かべてるに違いない。
「言ってみろ」
言えない。言えるわけない。
これはもう黙ったままうやむやにするしかない。
ローが被さってくる。顔が近い。でも合わせられない。
左手をとられ、手のひらに感じた感触に思わず目を向けた。
「やっと、向いたな」
ローは手のひらにキスをしていた。
何度も繰り返し感じる柔らかいけれど少し乾ついている唇。
「言えよ」
「あっ…」
低く響く声に背中がびりびりする。
「それともこのまま続けるか?」
指先を舐められる。薬指の腹、関節、小指…
「なぁ、知ってるか?」
「な、に?」
「キスの意味」