第10章 【それでもここにいる その3】
生憎だが思い切りバレていた。
「やっぱりか。」
呟く赤葦に黒尾があんと反応する。
「どうも志野に不思議な縁が出来たようで。」
「何の話だ。」
「いえこちらの事です。」
赤葦は微かに笑って今度は日向の方を見る。
「君の先輩によろしく伝えて。」
突如話を振られた日向はうえっと妙な声を上げた。
「うちのペットが世話になってるから。」
「あ、えと、よくわかんないけど伝えときますっ。」
やりとりを聞いていた黒尾がブフォッと吹いた。
慌てて戻った木下はやはり縁下と成田に遅かった事を心配されていた。
次章に続く