第9章 【それでもここにいる その2】
「行くよ。」
志野にそれだけ言う。
「赤葦さん、俺」
「気遣われたら逆に気にするタイプなのは知ってるけど放置するわけには行かない。言っとくけど義務だからって話じゃないから、くだらない事言うつもりなら木兎さんの寝てるトコに突っ込むよ。」
「ぜってー嫌っす、暑苦しい。」
「おいっ。」
「わかったら早くおいで。」
「うっす。では木下さん、失礼します。」
「またね。」
「お、おう。」
志野は赤葦に連れられて去っていく。後に残された木下は頑張れよーと思いながら自分も歩き出した。
その3に続く