第5章 苦手なもの。
渋「もうえぇんか?」
「は、はい…」
ほんまは全然あかんけどね。
抱き着いたままやと
後々、どう接していいんか分からんくなって
気不味くなりそうな気がする。
友達や言うても
異性に変わりはないんやからさ
例え怖くても
少しの優しさを見せられると
意識せぇへん訳無い。
やから、離れたんに
なんで私は
後ろから抱き締めるられてるのか。
渋「無理すんな。落ち着くまでこのままで居ったるから」
胸下辺りで交差されてる渋谷くんの腕。
振り向けば確実に
顔が近くにあるのが分かるから
一度も振り返らず
目を閉じて、雷が止むまで
渋谷くんの腕の温もりに甘えていた。