第5章 苦手なもの。
渋「雷とか久々やわ」
なんて呑気な声。
私は顔も動かせない程の恐怖に
手を震わせていた。
1人やったら泣いて耐えれるけど
渋谷くんが居るんじゃあ
泣くなんて出来へん。
雷が苦手なんて知られたら
馬鹿にして笑われる。
ここは何でも無い振りして過ごさねば…
と、決意した私を苛めるかのように
雷が本格的に鳴り出した。
渋「鳴り止むまで帰られへんな」
「…………そ、そう、ですね、」
渋「近くに落ちたりして」
「っ…!?」
なんて恐ろしい事を言うんや、この渋谷くんは!
と、恐る恐る窓へ目だけを向けたら
青白い閃光が空を裂き
鼓膜を破るんやないかってな程の大きな音が
校舎を少し揺らした。
カタカタと震え出す体。
このままじゃ渋谷くんにバレてしまう…!