第4章 勢揃い。
それは遡る事、約10分前…
6時間目が終わり
後は帰るだけ、となっていた時
尋常じゃない勢いで雨が降り出し
渋谷くんの言った通りになった。
「(最悪や…どしゃ降りやなんて)」
止むまで待とうかな、とも思ったけど
後ろから「怠い…」なんて声がして。
振り向いたら
机の上に雪崩れてる渋谷くん。
5時間目の休み時間にどこかへ行き
戻って来た渋谷くんの前髪は
苺のヘアゴムでアップにされていた。
渋谷くんが少しでも動くと
その苺も動く。
渋「もう雨止めて来てくれ…」
「そんな神がかった力があるなら、とっくに使ってます」
渋「なんで使われへんねん…」
なんでと言われましても。
極普通の女子高生に何を求めるんや。
というか、なんで苺のヘアゴム…
渋谷くんの私物?
そうだとしたら
この人はどんだけ苺好き…