第10章 片想い同盟。
「へ、変じゃない…?」
香「大丈夫大丈夫」
「で、でも…」
慣れないグロスの感覚。
前髪も分け目がついて
いつもとは少し違う自分。
この状態で渋谷くんの前に
出て行くのが恥ずかしくなって来た。
戻りたくない…
やから鏡の前から動けないでいる。
香「……ほら行くよ」
「え、あ、ちょ…」
立ち止まったままの私へ
痺れを切らした香絵ちゃんに
引き摺られるようトイレを出る。
(香絵ちゃんの力には逆らえない)
強引に連れ出され
みんなが待ってるであろう
さっきのベンチへ着くと
渋谷くん達と他校の女の子達が
楽しげに話ししてて…
渋「ありがとう、」
たまに見る優しい笑顔。
その笑顔は女の子達に
向けられていた。