第9章 好きなタイプ。
じーっ、と見られてて。
その視線にドキマギする。
「あっ、し、渋谷くんも名前言えないなら特徴とかでも、い、良いので、」
と、慌てて姿勢を正して正面を向く。
タイミング良く
エアーホッケーで決めた
横山くんと錦戸くんが
すっごい喜んでいて。
他にもたくさんの音や声がする中
隣から物音がして振り向けば
もたれた体勢から
ちゃんと座り直してた。
渋「……………犬みたいな子」
「はい?」
渋「やな、」
「犬…みたいな子、」
渋「しか言えんわ」
なんて言いながら
正面を向いた渋谷くんの横顔は
どことなく穏やかで。
その表情にズキズキ胸は痛み出し
少し羨ましくなった。
犬みたいな、その子が…