第9章 好きなタイプ。
「な、なんで笑うんですか」
渋「喜んだり、落ち込んだり忙しそうやなぁ思って」
「すみません…」
渋「見てて飽きへんわ」
やったら、そのまま飽きずに見ててくれへんかな…
ほんの少しだけでも長く
優しい笑い皺が隠した瞳に
映っていたい。
他の誰かに独占されるまでは…
渋「つか……恋、した事無いってほんまなんか…?」
「はい。あ、でも今はしてます」
渋「え、そう…なんや」
「片想いなんですけどね、」
渋「………誰なん?」
「秘密です」
渋「何でやねん、教えてくれや」
「無理です、」
言える訳無いやん。
渋谷くんです、やなんて。
渋「えぇやんけ、減るもんちゃうやろ」
「減ります…」
渋「は?」
「好きで居られる期間が、」
渋「…………………」
ここで伝えたら
一緒には居られなくなる。
始まったばかりの恋やもん。
結末が分かってるからこそ
まだもう少し"友達"で居たい…