第9章 好きなタイプ。
「(ふぅ…)」
用を足して出たら
ケイコちゃんともう1人の子は
居なくなってて。
生温い水道の水で手を洗い
スカートが濡れへんように
ポケットからハンカチを出す。
手を拭いて廊下へ出ると…
渋「………………」
それはもう何があったんや、っていうくらい
眉間に思いっ切り皺を寄せた
恐ろしい表情で睨みを効かせてる渋谷くん。
そんな睨みの犠牲にあってるのは
ついさっきトイレの鏡の前で
髪をいじってたケイコちゃん。
渋谷くんと腕を組んでくっついてる。
「もう忘れたん〜?3組の高城景子やで」
………あれ?
付き合ってるんやないの?
っていうか、そもそもなんで
こんなとこに渋谷くんが居んのよ。