第9章 好きなタイプ。
錦「どこ行くん〜?」
音楽室を出ようとしたら呼び止められた。
「え、あ、その…」
トイレ、なんて恥ずかしくて言えない。
やから香絵ちゃんに耳打ちしたのに…
「(どうしよう…)」
気付けば全員の視線が私に。
渋谷くんと目が合ってもうて
余計にトイレって言えなくなった。
助けて欲しくて
香絵ちゃんを見たのに…
安「もぉー、亮。女の子には女の子の事情があるんやからあかんよ」
何故か安田くんが錦戸くんを止めた。
女の子の事情って…
オブラートに包んでくれてるけど
逆に丸分かりやん。
というか、違うし。
錦「アレなんや」
「え、違っ」
村「それ以外に何があんねん」
「や、だからちが…」
錦「らしいでー?すばるくーん」
渋「え、あ、そ、そうなんや」
「(なんで渋谷くんに言うんよ!)」
もう恥ずかしさの限界で
音楽室を飛び出た。