第9章 好きなタイプ。
ほっぺたを
伸ばされたまま
後ろを向けば…
腕を組み、目を細めてる香絵ちゃん。
「わ、わふれへ…」
渋「思っくそ忘れてたわ」
「っ!?」
な、なんて事を言うの!
私は忘れてへんのに!
バナナオーレに
食いついちゃったけど…
香「くっつくのも程々にしてよね、暑苦しい」
渋「邪魔すんなや」
香「今の今まで空気になっててあげたんやからありがたく思いなさい」
渋「そりゃどうも」
なんて言い合ってる2人を黙って見つめる。
(ほっぺたを引っ張られたまま)
2人の掛け合いに
入れる隙が無かった。
今朝も思ったけど
凄い仲良さ気な感じが出てて。
香絵ちゃんは大倉くんを好きって知ってるけど
モヤモヤしたのが胸の中いっぱいに広がり
どす黒い感情になってく…
嫌だ。
2人が会話してるのを
見るのもやけど…
親友の香絵ちゃんにも
嫉妬しちゃってる自分が。