第9章 好きなタイプ。
しっかりとパックを持ってる手。
もう飲めそうにあらへん。
よしっ、今日の昼休みは2個飲みや。
中途半端に与えられたんじゃあ
1個やと絶対足りひんもん。
そう決めて時計を見たら
次のチャイムが鳴るまでには
まだまだ時間があって。
図書室に居るっていうのに
本を読まないなんて
もったいなさ過ぎるやろ!
「あの…」
渋「んー?」
「本、選んで来ます」
渋「………なんでや」
「え、だって図書室に居るので…」
渋「は?」
お前は何を言うとんねや。
そう言ってるかのような顔。
(表情筋柔らかそうやね)
とりあえず見なかった事にして
本を見に行く為立ち上がった。
渋「マジで行くんか?」
「はい」
渋「……………………なんに」
「はい?」
なんて喋ったのか分からなくて聞き返せば「何でも無いわ、はよ行け」と顔を背けられシッシッと追い払われた。
何でも無いなら何故に耳を赤くさせてんやろ…
「(やっぱり渋谷くんは分かりにくいや)」