第9章 好きなタイプ。
渋「んなもんハンカチくらい自分で取れや」
なんて言いながら
ポケットに手を
突っ込んで取ってくれて。
顔を背け「ほれっ!」とぶっきらぼうに突き出されるハンカチを握る手。
「あ、ありがとうござ…」
ハンカチを受け取り
最後まで言い切る前に気付いちゃった。
後ろ頭を向けたままの渋谷くんの耳が
真っ赤になってるのを…
耳で真っ赤なら
顔はどうなんやろ?
「(見たい…)」
そんな好奇心が湧いた。
苺のヘアゴムの時
赤面してるの見たけど
かっこいい人が顔赤くさせるなんて
滅多に見れない光景やって事を
今更ながらに気付いて。
ワクワクしつつ
腕を掴んで引き寄せ振り向かせた。