第9章 好きなタイプ。
「ただいま…」
「おかえり〜…って、あら。そんなパーカー持ってた?」
家に入れば
たまたま玄関に
お母さんが居て
私を不思議に見る。
どっからどう見ても
男の子のパーカーなのに…
なんか恥ずかしいわ。
「か、借りたの」
「誰に?」
「え、相手言わなきゃダメなん?」
「当たり前やんか。もしかしたらこれから顔を合わせる事になるかもしんないでしょ」
「何がどうなったらそうなるの」
「えー、そのパーカーの子と付き合ったら家に連れて来るやろ?」
「なっ…付き合わへんし、連れて来ないもん!」
傘立てにビニール傘を入れ
慌ててお風呂場へ向かった。
渋谷くんと私が付き合う?
そんな事ある訳ないって。