第8章 おでこに…
「や、大丈夫ですから!ほんとに!」
渋「あかん」
なかなか傘を奪い返せないでいる。
こういう時って
素直に送られるのが
女としての礼儀なんかもしんないけど…
わざわざ家通り越してまで
送って貰うのは
なんか違うような気がする。
渋「頑固なやっちゃやな」
「渋谷くんこそ、」
渋「………しゃーない、今日は帰るわ」
「はい、是非ともそうして下さい」
渋「じゃあ、明日は送るから」
「はい……って、えぇっ!?」
明日はって…
明日も一緒に帰るん!?
渋「驚き過ぎやろ」
「だ、だって明日って…」
渋「何やねん、文句あるんか?」
「い、いえ…」
渋「ほんならちょっと待っといてくれ。すぐ戻って来るから」
「えっ、あ、ちょ…」
マンションの中へと
入って行った渋谷くん。
残された私は待つしか無かった。
(帰ったら怒られそうやもん)