第19章 【サボテンの花言葉】不二周助
「璃音、じゃあサボテンの花言葉は知ってる・・・?」
そう言いながら周助は隣の部屋に移動する。
花言葉・・・?知らないけど・・・なんて言ってチラッと視線だけ周助に向けると、彼は何やらごそごそと荷物を開けていた。
周助・・・?そう不思議に思って私も彼のいる部屋に移動しながら声をかけると、振り返った周助の手には、リボンがついた可愛いサボテンと、
そしてそのサボテンの棘に掛かる
キラリと光り輝くリング____
「サボテンの花言葉は『枯れない愛』、僕達にピッタリだと思わない?」
そう言った周助は優しい笑顔で私を見ていて、それは昔からなにも変わらない笑顔で、私もつられて笑顔になった。
「・・・でも周助、これ、サボテンの棘が怖くてとれないよ?」
「うん、僕も今、失敗したなって思っていたところだよ。」
そう言って2人、顔を見合わせてクスクス笑う。
周助って案外抜けてるよね、なんて言う私に、相変わらず厳しいなぁ・・・そう周助も苦笑いをする。
それから、周助は慎重にサボテンからリングを取り出して、私の指にそっとはめてくれる。
そのリングは私の指にサイズこそピッタリなんだけど、その今までとは比べ物にならない豪華さに戸惑ってしまう。
そんな私に、さすが天下の跡部グループだな、そう言って周助も苦笑いした。
「私に周助の奥さんが勤まるかな・・・?」
「璃音じゃなきゃダメだよ。」
少し不安になって周助の肩に頬を寄せると、周助は私の髪をとかすように撫でながら優しく微笑んでくれる。
それから交わしあう誓いのキス。
それはだんだん深いものへと変わっていく。
私を軽々と抱えてベッドへと移動する周助にしがみつきながら、本当、細いくせに力強いなぁ・・・なんてプロテニス選手なんだから当たり前なのに、そんなことをぼーっと考える。
「美沙ちゃん、ここに来たの?」
「前のホテルにね、すぐに追い出したよ。」
「もったいなー、一度くらいGカップの感触楽しめば良かったのに。」
「僕は璃音のBカップにしか興味ないよ。」
マッドに沈められながら2人顔を見合わせてクスクス笑う。
周助、大好き、そう彼の腕の中で何度も囁いた。