第19章 【サボテンの花言葉】不二周助
「それは・・・この間の写真だね?」
2人、1ページ目から見返すと、7ページ目に新しい写真を貼り付ける。
コツンと音を立ててテーブルに置かれたコーヒーに、ありがとう、そうお礼を言って口を付ける。
ちょうど飲みたいなって思った絶妙のタイミング、ちょうど飲みやすい絶妙の温度。
本当、私のことを何でもわかってくれている周助。
この時は大変だったね・・・なんて言ってふふっと笑い、写真の中の2人に視線を向ける。
ホテルのロイヤルスイートルーム、夜景をバックに寄り添う2人。
ルームサービスなんて言えないほど豪華な食事と高級ワイン。
私、あんな贅沢したの初めて、そう思い出してほうっとため息をつく。
「これからはいくらでもさせてあげるよ?色々なパーティーにも同伴してもらわないといけないしね。」
そう言って微笑む周助に、プレッシャーだなぁ・・・なんて苦笑いすると、璃音なら大丈夫だよ、そう言って周助がそっと私に唇を重ねる。
「それで周助、いつ手塚くんに勝ってくれるの・・・?」
そんな風に意地悪く笑う私に、今度は周助がプレッシャーだなぁ・・・なんて苦笑いするから、周助なら大丈夫だよ、そう言ってまた私からキスをする。
「なんて、いつでもいいよ、でも次の誕生日までは結婚したいかなー・・・?」
「その時はきっと家族が増えていると思うよ?」
そして2人、また唇を重ねて笑いあう。
アルバムに添える私の手には2人の未来を約束する光り輝くリング。
ね、周助・・・
私達、この世に生を受けたその日から、ずっと2人一緒にいるのが当たり前だったよね。
きっとそれは4年後も8年後も、ずっとずっと、2人が可愛いおじいちゃんとおばあちゃんになっても変わらないよね。
死が2人を分かつその日まで、ずっと一緒に生きていこうね。
サボテンの花言葉に誓って____
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