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【テニプリ】作品集/乙女気分

第19章 【サボテンの花言葉】不二周助




そして7ページ目を目前に控えたある日のこと。


もうすぐ6回目の24歳まであと数日。
周助は相変わらず世界中を飛び回っていて、OLになった私も毎日忙しく、ますます2人の時間はとれなくなっていた。


でもマメな周助だから毎日メールしてくれたし、例え短い時間でもこまめに電話してくれたから、寂しくないと言ったら嘘になるけど、それでもなんの心配もしてなかった。


朝、テレビをつけると一面に映った周助の熱愛報道。


『テニス界のプリンスこと天才不二周助選手に初のロマンスです!お相手の女性は、今、人気急上昇中のGカップモデル、市川美沙ちゃん!』


画面にはナイスバディの美沙ちゃんのグラビア写真と、彼女のマンションに入っていく周助の写真。


『不二選手は帰国するとしょっちゅう彼女のマンションを訪れては、朝まで一緒に過ごしているようです。』
『それが本当なら男としては羨ましい限りですね。』


はいー・・・?、唖然として自分の貧相な胸をストンと撫でると、おーい、何とか言え、そう言って携帯を指でパチンとはじいた。


~♪


その途端、携帯電話の着信音がして慌ててディスプレイを確認すると、そこには案の定、周助の名前が映し出されていて、すーっと大きく息を吸って心を落ち着かせる。


「はいはーい、こちらBカップOL、小宮山璃音ちゃんでーす!」


そう元気な明るい声で出た私に、厳しいなぁ・・・なんて言って周助は苦笑いをする。


『ゴメンね、彼女とはなんでもないから。』
「言い訳なら聞いてあげてもいいけど?」
『あのマンション、英二と同じなんだ。』
「ふふ、そんなところだと思った。」


安心した?そう言う周助に、最初から心配してないよ?なんて答えて2人で笑う。
もちろん良い気はしないけど、周助が浮気なんて絶対あり得ない。


それは周助も同じで、私が心配してないのをわかっていて、建て前で連絡をしてくれた。


お互いがお互いのことを何でもわかっていて、それから信じ合っている。
私達の間にはそんな根拠のない自信と絶対の絆があった。

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