第7章 【Orange day】千石清純
「だからいつか痛い目見るよって言ったのに。」
「今日はラッキ~なはずだったんだけどなぁ・・・。」
「おっ!可愛い女の子発見!キヨも見てみなよ!」
「う~・・・今、そんな気分じゃない。」
最初はいつものように可愛いから声をかけただけ 。
でも仲良くなるうちにだんだん気になっていって、気が付いたら結構本気になっていた 。
「大体、日頃の行いが悪すぎるのよ。自業自得ってやつ?」
「うーん、俺、一応落ち込んでいるんだけど・・・」
「じゃぁ、お姉さんの胸を貸してやろう!思いっきり泣いていいぞ?」
「・・・どうせ顔をうずめるなら大きなおっぱいがいい。」
「失礼なやつね~」
失礼といわれても、それが男のロマンです。
俺は素直な男なんです。
「だいたい、何でそんなに女の子を口説いてばかりいるのよ?」
「いやぁ・・・女の子には口説いてあげるのが礼儀でしょ。」
「私、口説かれたことないけど?」
「だから、女の子は、だってば。」
「どこまでも失礼なやつね~。」
空はいつの間にか夕焼けでオレンジ色になっていて、爽やかだった秋の風は少し冷たくなっていて、ちょっと冷えてきたね・・・って、そういいながら彼女は俺の隣に座った。
「みんな、意外だろうね。」
「なにが?」
「いつもチャラチャラしているキヨが実は傷つきやすいってこと。」
「ほっとけ。」
制服の上着を脱いで彼女に渡す。
さっきはああ言ったけど、こんなやつでも一応女の子だし 。
彼女はありがとうと言ってそれを羽織った。
「ねぇ・・・まだ落ち込んでる?」
「うーん、まぁ・・・」
「元気だしなよ?」
「ん~・・・」
なんとなく彼女のほうを見ると、彼女は俺のブカブカの制服を着ていて、ちょこんとヒザを抱えて座っていて、冷たい風が彼女の髪をなびかせて、夕日がオレンジ色に染めていて・・・
____なんか目が離せなくなった。