第7章 【Orange day】千石清純
屋上に寝転んで空を見上げた 。
空が青い ・・・
雲が流れていく ・・・
爽やかな秋風が吹きぬけていく ・・・
うーん、なんて気持ちがいい秋晴れの放課後だろう。
俺の気持ちとは裏腹に・・・
【Orange day】
俺の今日の運勢は最高で、特に恋愛運は絶好調
意中のあの人と恋の進展がありそう
ラッキーカラーはオレンジ
なんていうから、今日は激かわいい彼女とバッチリ決めようなんて思って、彼女の教室に向かう途中で見てしまったんだ。
廊下の隅で彼女が他の男と抱き合ってキスしているところ ・・・
すぐに彼女と目があって、気まずくなるかな~?と思ったら、「あ、ばれちゃった。でも別にいいよねぇ?」だって。
う~ん、それを言われると何も言えないんだよね、俺の場合・・・
本当だったら今頃は、可愛い彼女とお茶したり、映画を見たりしてデートしていたはずなんだけどなぁ・・・
はぁ~~~・・・アンラッキー
そんな気持ちとは裏腹に、秋晴れの空はきれいに澄み渡り、そんな高い空にムカついて、ゆっくりと瞳を閉じた。
「アタッ」
おでこに何かがぶつかった。
この感触は・・・テニスボールだ 。
起き上がってそのボールを拾い上げる・・・
気分が落ち込んでいたからか、飛んで来た気配に気が付かなかった・・・
どこから飛んで来たんだろう?
テニスコートからじゃ、ここまで届くはずもない。
「あ、あたっちゃった?ラッキ~!」
この声は・・・慣れ親しんだ声だからすぐに分かる。
幼なじみでクラスも同じの腐れ縁・・・
「な~んだ、璃音か・・・」
「私で悪かったわね!」
テニスボールを彼女に投げ返す。
彼女はそれを受け取ると俺の横を通りすぎ、フェンスに手をかけ校庭を見下ろした。