第26章 【140文字のSSのお題】
いつだって突然現れて、そして突然いなくなる。
きっと今頃は、遠いニューヨークの空の下・・・
余裕で黄色いボールを追いかけている・・・
私にはあいつを繋ぎ止めることは出来ない。
それが出来るのはテニスだけ・・・
「せめて夢でくらい会いに来い・・・バカ彼氏・・・」
今夜も枕を濡らす夜は更けていく___
【夢であえたら】越前リョーマ
「ねぇ、海堂、私のこと好き?」
「うるせぇ・・・トレーニングに行ってくる」
真面目で努力家でぶっきらぼう・・・
そんな彼は、決して「好き」なんて言ってくれなくて・・・
「なによ、ケチ!」
「・・・フン!」
だけど耳まで真っ赤なその後ろ姿は、どんな甘い言葉も適わない。
私だけの極上スイーツ___
【チョコとかパフェとか、愛とか】海堂薫
「なんでこんなこと、したん?」
乱された制服を必死に手繰り寄せる。
赤く変色した手首に涙が零れ落ちる。
可愛い後輩だと思ってたのに・・・
みんなで仲良くしてたのに・・・
「なんで?ほんまに分からんのですか?」
歪んだ笑みがゾクリと背筋を凍らせる。
あんたが無神経だからっすわ___
【怒るけど、嫌わないから大丈夫】財前光