第26章 【140文字のSSのお題】
「ううーん、あ、そっか・・・よし、出来た!」
英二くんの手が後頭部にのびて、グイッと引き寄せられる。
ふわりと唇が触れて、チュッとリップ音を響かせる。
「おーし、次の問題も頑張っちゃうもんね!」
勉強嫌いな彼をやる気にさせる魔法の言葉。
ね、問題が解ける度にキスしてあげる___
【君とならできる】菊丸英二
レンズ越しに見つめる君の横顔。
その目に光るのは、彼を想って流す涙・・・
カシャリ、戸惑う指先で鳴らしたシャッター音。
「・・・イジワル」
「ごめんね、でもその涙すらキレイだよ?」
・・・バカ、泣き笑いの君が呟く。
次はとっておきの笑顔を写そう。
僕が君を笑顔にしてみせるから___
【もう一度、恋をしよう】不二周助
「おい、邪魔するぜ!」
勢いよくドアが開いて、断りもせず座り込む彼。
「また家出?」
「おお!あのクソ親父、マジムカつくぜ!」
突然、夜更けに押しかける幼馴染の図々しさに溢れるため息。
裏腹に緩む口元をこっそり頬杖で隠す。
いい?、こんなワガママ、私にしか通じないんだからね___?
【受け止めてくれるのはあなただけ】向日岳人