第26章 【140文字のSSのお題】
「こんな可愛い娘に会えるなんてラッキーだなぁ〜!」
女の子を見ると見境なく声をかけるキヨ。
鼻の下伸ばして、締りのない顔で・・・
でもそんな彼の本命はたった一人だけ。
忘れられないくせに忘れるために声をかけ続ける。
「馬鹿みたい・・・」
ポツリと呟いた言葉はキヨのこと・・・?
それとも、私自身・・・?
【未練たらしい】千石清純
「どうした?こんな所で・・・」
「真田くん・・・」
顔を上げたお前が、突然胸に飛び込んでくる。
何事か!?慌てて引き離すも、掴んだ肩が震えているではないか・・・
よく分からぬが、今は傍らの温もりが欲しいのだろう・・・
ゆっくりとその肩を引き寄せる。
こんな胸でいいなら、気の済むまで使えばいい___
【きっとそれで正解】真田弦一郎
トクン、トクン・・・
静かに耳を押し当てて、胸の鼓動を確かめる。
行為直後の、激しく高鳴るそれとは違う・・・
すっかり穏やかになったこの音は、私の心を満たしてくれる。
「お誕生日、おめでとう・・・ブン太。」
彼を起こさないよう、そっと呟く。
あぁ、神様・・・
願わくはどうか、この幸せを永遠に___
【貴方の心臓が欲しい】丸井ブン太
2018年、丸井ブン太誕生祭