第1章 夏の思い出作り(赤)
この嬉しい感動をどうすれば…
なんて小さくなりつつあった
2つの背中を見送ってたら
急に立ち止まった。
どうしたんやろ?と
その背中を眺めていたら
2人は何かを話し出して
また走り出す。
「……………え…?」
ただ、ただ驚く。
2人が立ち止まった場所から
目線を動かせなかった。
いや、動かせずに居る。
「…………な、」
どんどん小さくなってく
2つの背中を見送る後ろ姿。
1つに纏められた黒髪。
アロハの柄。
短パンから出てる細い足。
ついさっきまで見てた背中。
なんで…?
なんで居るの…?
とうとう暑さで脳みそがおかしくなったに違いない。
でなきゃ、居るはずがあらへん。
居る訳が…
と、目の前の光景を信じられなくて動揺し始める。