第1章 夏の思い出作り(赤)
「は?何でやねん……まぁ、せやけどもやな………はいはい、代わればえぇんやろ」
振り返って私を見ると
手招きされた。
え、私?と自分を指差せば頷かれる。
変態と共通の知り合いなんて
たった1人しか居らん。
大倉さんで間違いない。
「大倉が代われって」
「……はい」
やっぱり大倉さんか。
どっからどう見ても
猿要素があらへんのに
クソ猿呼ばわりされて…
この変態の目は
特殊なのかもしれない
なんて考えつつ
スマホを差し出してる変態へ近付いてく。
(タオルケット被ったまま)
そして、私を見てちょっと笑った変態から
スマホを受け取って耳へ当てた。
「………もしもし、代わりました」
『ちゃんやぁ〜元気ぃ〜い?』
このひょうきんな声のトーン。
(酔ってるやないか)