第1章 夏の思い出作り(赤)
私の花火が落ちてすぐ
追いかけるように
変態の花火も落ちる。
「よし、もっかいや!」
「次は勝ちます!」
また火をつけて
二人で線香花火を見つめた。
普通の花火をしてた時よりも
ぐん、と距離が縮まってて
私の腕に変態の腕が当たってる。
(近過ぎな気が…)
少し横を見たら
花火へ向いてたはずの目線は
私へ向けられていて。
あまりにも真剣な眼差しに
また胸が高鳴り出す。
ときめいてる、なんて
知られたら変態の思うツボ。
バレないように平常心を保ち…
「………どうしたんですか?」
「………や、今日の飯何がえぇかなって」
真剣な顔やな…と思ったら
ご飯の事考えてたんや。
じゃあ、別に私を見てた訳やないんやね…